ウサギは足の速さを自慢したくて仕方ありません。
勝てる相手とみんなの前で勝負することにしました。
カメには重い甲羅がついていて速く走れません。
ウサギはカメに勝負を挑みました。
カメは「いいですよ」と言いました。
ウサギとカメの競走が始まりました。
ウサギは稲妻のように走ります。
カメは重い甲羅のため一歩踏み出すたびに休みます。
カメが2、3歩進んだ時にはウサギはゴール前でした。
ウサギは今ゴールするのは勿体無いと思いました。
何か見せ場を作って賞賛されたいと思いました。
ウサギはゴール前でわざと昼寝することにしました。
次の朝、カメが追いつくとウサギはまだ寝ていました。
カメは「朝ですよ」と言ってウサギを起こしました。
ウサギは「しまった、寝すぎた」と言いました。
ウサギは寝すぎると頭が痛くなります。
ウサギ「痛い、痛い、頭が痛い」
カメ「私の甲羅は漢方薬ですよ。削ってお飲みなさい」
ウサギ「そんなのキモくて飲めるか」
カメ「でも頭痛を治さなくていいんですか」
ウサギ「ダメだ、治さないとダメだ、死ぬ」
ウサギは石を使ってカメの甲羅を削りました。
飲むと少しだけ頭痛が治まりました。
カメは「もっとお飲みなさい」と言いました。
ウサギはどんどん甲羅を削って飲みました。
頭痛が治った頃にはカメの甲羅は無くなっていました。
カメ「フフフ、飲んだな」
おわり